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キノコたちの世界

シティ生活を営む現代人の大多数にとって、キノコはスーパーの食品売り場で買ってくるものだろう。パッケージの中でおとなしく収まっている、形の整ったシイタケ、シメジ、マイタケなどなど。また最近はこれらのレギュラーメンバーに加えて、新しい仲間も増えてきたようだ。そこらのスーパーでも、以前はなかった種類のキノコを見かけて驚かされることがある。
 
食品として見れば、これらのキノコたちはとても安心して付き合うことのできる相手だ。食べて中毒することは絶対にないし、それどころか中から虫が出てくることすらないのだ。安心できて、清潔で、一年中好きな時に食べることができる。理想の恋人みたいな連中だ。

前置きが長くなったが、今回のぞいてきたのは、そんな食用キノコとはまったく違った野生のキノコたちの世界だ。彼らの織りなす世界は幻想的で、われわれの生活する世界とはちがう法則が支配しているようでさえある。おとぎ話の世界に迷い込んだように、見るものの現実感をゆさぶってくれる存在なのだ。
 
安心して食べることもできなければ、清潔でもない、けれども不思議な魅力に溢れたものたちを少しだけ紹介しよう。
 
※種名はあくまで素人同定によるものであることに留意してください。また、キノコは条件次第でさまざまな形や色に成長するため、図鑑の写真と似ているからといってむやみに断定するのは危険です。

 

コニセショウロ

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地味な見た目だが、ムニムニとした触感で触っていて楽しい。

 

ハナガサイグチ

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ハッとするような蛍光オレンジの色でわれわれの度肝を抜いてくれる。キノコの色にはどんな意味があるのだろう。

 

 ニガクリタケ

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無難な外見に反して、実は有毒。ためしにひとかけら口に入れてみたが、名前どおりとても苦くて、すぐに吐き出した。なまじ味が良かったりしないだけ良心的だと思った。

 

シロヒメホウキタケ

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日の光をあびて真っ白に輝く姿が幻想的。生物の授業で習う系統樹のような形だ。

 

タマゴタケ

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これまたオレンジ色の美しいキノコ。食べると旨いらしい。

 

ドクツルタケ(?)

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ニョキン!という擬音が似合いそうな、堂々とした格好と大きさ。 

 

朽木に生えたキノコの群生

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まるで、巨大キノコが繁茂する地底世界に迷い込んでしまったかのような光景。10分近く観察しながら、親指サイズになってこの中を冒険する妄想を楽しんだ。

 

マイゴタケ

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なんのキノコかわからないので勝手に名づけてみた。緑色のコケに囲まれてひとつだけぽつんと生えていた、親指くらいの大きさのキノコ。たいへんかわいらしく、心細そうに見えた。

 

住宅街から程近い林の中でも、びっくりするほどたくさんのキノコたちに出合うことができた。秋の山は、キノコたちの世界といっても過言ではない。手軽に不思議な気分になりたい人は、ぜひ彼らに会いに行ってみるとよいだろう。