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タイの虫屋台

最近はおしゃれな女性向け雑誌などでも昆虫特集が組まれることもあり、昆虫食の話をしても、「え、虫を?きもい」などと露骨に嫌な顔をされることが以前よりも少なくなった。そんなタイミングで、ずいぶん前にタイのバンコクに遊びに行った時に撮った虫料理の屋台の写真が出てきたので、紹介しようと思う。
 

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屋台の前で購入する意思のある(冷やかしではない)ことを示すと、流暢な英語でどれがなんという虫なのかを説明してくれる。注文すると、虫をビニール袋に取り分け、最後に霧吹きで謎の液体を吹きかけてから渡してくれる。売られていたのはコオロギ、バッタ、タガメ、ゲンゴロウ、サソリ、カイコの蛹など。値段は他の屋台料理に比べると若干割高な気もした。

札に出ている通り、カメラやビデオで撮影する場合は10バーツ(35円くらい)を払わなければならない。屋台を見つけた場所は、バンコクの中でも特に外国人旅行者が多いカオサン通りという地区だったので、怖いもの見たさで近づいてくる外国人からもきっちり料金を徴収しようという戦略のようだった。我々はきちんと虫を購入したので、写真撮影に際して料金を請求されることはなかった。

 

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この屋台が、(売り子も含めて)あまりに外国人向けにカスタムアップされていたので、虫屋台なんて外国人向けの露悪的ツーリズムとして細々と生き残ってるだけで現地の人はとっくにそんなもの食べなくなってるんじゃないの?という疑問が湧いてきた。私の地元は京都だが、人力車に乗ったことも本格的な湯豆腐を食べたことも今の所ないため、そのような勘ぐりをしてしまうのだ。しかしそれは的外れであった。後日タイの地方都市の、地元民しかいないような寂れたスーパーの前で同じように虫料理を売っている屋台を発見したからだ。
 
買った虫は以下の通り。バッタや蚕の蛹は日本でも食べたことがあったので、なかなかお目にかかれない虫をチョイスした。

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▲ゲンゴロウ
日本では絶滅危惧種。海底クラブは虫が大好きでよく採集などもするのだが、生きたゲンゴロウは展示室の中でしか見たことがない。そんな希少な虫も、ここではスナック菓子の材料である。気になる味だが、圧倒的な硬さのクチクラ質のために噛み千切ることはほぼ不可能、丸ごと口に入れてぐしゃぐしゃとかみつぶすしかなかった。さらに味は苦くて、買った虫の中で一番不味かった。 悲しい。
 

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こちらも日本では絶滅危惧種。花のような香りがして、悪くない味。こちらも殻が固く飲み込むのに難儀した。頭部を噛み千切って、ウィダーインゼリーのように中身だけをチューチュー吸って食べればよいかもしれない。
 

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 ▲サソリ

エビやカニなどの甲殻類に近い味。これも殻が固い。

 

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タガメを口に運ぶ私

 

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▲サソリを頬張る友人
 
総じて殻が固く、飲み込むのが大変だった。正直言って、そこまで美味しいものだとは感じなかったけれど、日本ではその希少性故に恐れ多くて食べられないゲンゴロウやタガメを口にできたことは、非常に貴重な体験だった。