国内でも国外でも、旅先ではできるだけスーパーマーケットを覗いてみることにしている。
そこで売られている食品の中には、普段自分たちが目にしないものが紛れ込んでいることが多々あり、現地の食文化が垣間見えて面白いからだ。
店の内装や雰囲気がどこでもさほど変わらないことが多いのも、スーパーの利点だといえる。
これがあからさまに怪しげな市場などであれば、我々はその雰囲気に飲まれてしまって、そこに並べられた品物一つ一つが自分にとって非日常的なものなのか、そうでないのかにまで心を配ることができないだろう。それはそれで面白いことではあるのだけれど。
スーパーマーケットは、その没個性的な背景でもって、注目すべき点だけを浮かび上がらせるための舞台装置なのだ。
先週末に2泊3日で滞在した上海のスーパー(カルフール)も、期待を裏切らずに強烈なのをかましてくれた。
特に目を引いたのが、スッポンとウシガエルである。
上海では面白いものをたくさん見てきたので、そちらは追々まとめていくとして、まずはこいつらを見てほしい。
しれっとした顔をして鮮魚コーナーで泳いでいたスッポン。
左の水槽のやつが358元だから、1元=16円として5728円/500g、100gあたり1146円(!)の高級食材である。
産地によって値段がだいぶ上下するのも、こだわりが感じられて良い。
値段相応に味に違いがあるものなのか、いつか食べ比べをしてみたいと思う。
視線を下に下げると、そこにはひしめき合うウシガエルたちが。
まったく動こうとせず、大人しくしている。
こちらはスッポンに比べてグッとリーズナブルになって、19.8元/500g。100gあたり63円くらいである。
鮮魚コーナーにはこの他にも、よくわからない魚やらがたくさん並べられていて、「売れそうなもんはとりあえずなんでも並べとこうぜ」という力強さみたいなものが感じられてよかった。
スッポンは以前に川で捕まえて食べたことがあるのだが、ウシガエルはまだ食べたことがない。ちょうど今年の夏に捕まえてやろうと思っていたところなのだが、日本人から見て野食・奇食といわれそうな内容の記事も、中国の人たちからすれば単なる節約術の記事にしか見えないのかもしれないと思った。