男友達の配偶者を何と呼んだらいいか問題

まず前提として、私は男である。友達も男である。高校の同級生なので彼とは10年以上の付き合いがある。彼の配偶者は女性である。年齢は、3人とも同じである。 このたび私はこの友達の家に遊びに行くことになった。三者が初めて顔を合わせるのだ。彼女は彼の…

ディック・ブルーナの線について

先日、京都大丸でディック・ブルーナ展を見た。ディック・ブルーナはウサギのミッフィーちゃんなどの超大物キャラクターをいくつも生み出したオランダの絵本作家で、必要最小限の線と色で表現された絵はシンプルで優しい。 展示には貴重な原画がいくつも陳列…

読み聞かせ爺との遭遇

うちの同居人はかつて書店で働いていたということもあり、書店における迷惑行為をののしることに余念がない。 そんな彼女がもっとも忌み嫌うものがある。絵本コーナーにしゃがみこんで、半音高い声で子供に絵本を読み聞かせる保護者である。長時間読み聞かせ…

寛永通宝を拾う

琵琶湖の湖岸を歩いていると、波打ち際の石に混じって黒くて丸いものが落ちているのを見つけた。「ひょっとしてお金かも」と思い拾い上げて検分してみたところ、ぼろぼろになった表面にかろうじて”寛永通宝”と書いてあるのが読み取れた。お金はお金でも古銭…

(たぶん)2023年に読んでおもしろかった本

「(たぶん)ってなんだよ」と感じられたことと思う。 そもそも自分が何を読んだか覚えていないのである。運よく覚えていたとしても、いつ読んだのかとなると忘却の彼方である。 毎年この時期になるとTLを賑わす「今年よかった○○」に参加しようにも「はて、…

映画『我が人生最悪の時』とその前後

昔々。たぶん2015年頃。 うちの近所の山にたくさんヘビが出るので、捕まえて食べてみようということになった。 我々はそれまでも、セミやバッタみたいな「生まれた場所や時代が違えば普通にこれを食べていたかも......」と思えるようなものを実際に食べてみ…

2023年6月6日

映画を見に行くために自転車をこいでいると、唐突にすごく懐かしい匂いがしたのでほとんど反射的にブレーキを握った。 それはなにが発するものなのかもわからない捉えどころのない匂いで、その匂いが漂ってきたときにまず湧いてきた感想は「90年代の匂いがす…

2023年6月3日

友達と一緒にマテガイをとりに行く。 参加者はデイリーライターのまこまこまこっちゃん、元寮生、ヤマカガシが好きなFさんに私を加えた4人。 まこっちゃんは私以外の二人と初対面で、私はFさんと初対面というよそよそしいメンバーだったけれど、主にまこっち…

2023年5月31日

山奥にあるお茶屋で新茶とワサビ漬けを買ったところ、「これ、少し黒いところがあるけどオマケね」と言って生のワサビを一本つけてくれた。 ここの基準ではB級品なのかもしれないが、街で買えば高くつきそうな一品なので大喜びでもらって帰る。 家に帰って、…

2023年5月23日

12時に大崎で石川さん、安藤さん両人と落ち合って、中華料理屋で昼食をとる。 安藤さんは最近チャーハン部というのをやっているらしく、チャーハンを頼んでいた。中華料理屋では必ずチャーハンを頼む縛りができたおかげで、迷わなくていいという。メニューを…

2022年5月21日

文フリ、デザインフェス、横田基地の一般公開が同じ日にあるのでどれに行こうか悩む。 東京駅の近くで夜行バスを降りるまでどれにしようか迷っていたが、結局デザインフェスに行くことにした。 デザフェス会場は広くて人が多かった。 私は「この作家のブース…

2023年5月12日

山奥で見た川がダイナミックでかっこよかった。以下は帰宅後の話。 夕飯の準備をする同居人が「ああ!」と叫ぶので行ってみると、ネズミ捕り用に仕掛けた粘着シートにヤモリが引っかかって動けなくなっていた。それも1枚のシートに3匹も。 私は一目見て「ま…

2023年5月8日

散歩をしに植物園に行く。 春の花盛りは過ぎていたけれど、エビネ、ウツギ、アヤメなどなどいろいろな花が咲いていて楽しい。藪漕ぎの天敵こと棘だらけのジャケツイバラが意外に可愛らしい黄色い花をつけていて驚いた。 水べでバイカモを見ていると女性が話…

2023年5月6日

和歌山から来た友達が「インドカレー屋『ぴっぱら』に行きたいが、マナーがなってないと追い返されることがあるらしいので一緒に来て教えてほしい」というので、同行する。 客を追い返す店として名をはせた『ぴっぱら』は少し前まで一時閉店していたのだが、…

2023年5月4日

伏見区巨椋の農地にケリを見に行く。 農道の脇にバイクをとめて、最近新しく買った雲台をとりつけた三脚とプロミナーを準備した。この地域は田植えの時期が遅めらしく、農地のほとんどは乾いていたけれど、かろうじて湿地化しているところを見つけた。 双眼…

きゅうり

2022年6月某日 夏野菜が値崩れしている。 私がよく買い物に行く商店街では入り口のところに露店の野菜売りがでていることがよくあるのだが、そこではなんとたくさんの大きなきゅうりが段ボールに押し込められて、一箱200円で売られていた。もはやヤケクソの…

タガメ

小学生の頃、家でタガメを飼っていたことがある。 タガメといえば日本最大級の肉食水生昆虫で、生きた魚やオタマジャクシなどしか食べないため飼育にはそれなりに手間と予算がかかるのだが、ともかくそんな贅沢な虫を飼育していたのである。 学校から帰宅す…

ウィーン自然史博物館で系統樹を巡る(ドイツとその周辺の旅行記②)

台湾を出発して、ときおり乱気流に揺られること10数時間、ついに花の都へやってきた。 もともとの予定ではドイツ以外の国に行くつもりはなかった。でも、ウィーンには確かすごく大きな自然史博があるし、街は綺麗だし、ちょうど友達が長期滞在してるし、ドイ…

台湾桃園空港の柿WiFi(ドイツとその周辺の旅行記①)

4月末から5月末にかけて、一月くらいドイツとその周辺を回ってきたので、その時のことを書いていこうと思う。 なんせ行程が長いので、日本に帰ってくるところまで書き終わるのがいつになるかわからない。途中で嫌になってやめるかもしれない。 それでも構わ…

水を吐くフグの急須を作った

「水を吐くフグ」を覚えているだろうか? そう、今年の春先に、主にTwitterでブレイクしたあいつだ。 私も、そのブームにあやかろうと彼の形を模した急須を作った。しかし直後に長旅に出るなどしたため、記事を書くまでに2ヶ月近くかかってしまった。 盛者必…

春はあやふや

花粉の飛散と、冬の寒さから解放の合わせ技をくらって、このごろは始終気持ちがだらけている。5月まで待たずとも、なんとなく、無気力。 寒い時には、寒いせいで何もする気が起きないと文句を言うくせに、いざ気温が上がってみると、やはり覇気のない生活を…

イカのスニーカー、スニ“イカー”を作ってみた

”ハト”ヒールを作った乙幡啓子さんが、今度はアヒールを作ったという記事(詳しくは、この記事の一番下に載せた参考記事を参照)を読んだ。それで、「私もなんか作ってみたい」と思ったのが1月の中旬。図書館に本を返しに行く途中、自転車を漕ぎながら、突如…

ムササビが空を舞う舞う奈良の夜

先日、怪我をしたムササビの保護活動をしておられる方から、「ムササビを見たいなら、東大寺に行くといい」ということを教えていただいた。 「いやー、ムササビは最初は野生動物らしく人を警戒するんだけれど、ある程度一緒に生活しているととても懐いてくれ…

大人だけどオオオニバスに乗ってみたい

アマゾン原産のオオオニバスという植物がある。 水に浮かんだ葉の直径が3m以上にもなる、とても大きな蓮の仲間で、体重の軽い子供なら上に乗って水に浮かぶことができる。体重の重い大人が乗ると、オオオニバスは重さに耐えきれず、沈んでしまう。 子供の時…

低原価率な串カツの極北を探る

中学のときに通っていた学習塾の社会科教師は、授業中に頻繁に面白い雑談を始めるので生徒から人気があった。中でも印象に残っているのが串カツに関するお話だ。 「昔、(大阪の)難波で串カツを買い食いしたんや。そしたら、一口かじってみて驚きや。小指の…

秋の富士山はキノコ好きにとってまさに天国だった

「本当にたくさん生えてて、すごく面白いから!」 関東在住の友人から、富士山でキノコ狩りをしようという誘いが来たのは9月末のことである。聞けば、キノコスポットを教えてくれる案内人の当てもあるという。 長野でベニテングタケと感動的な出会いをしてか…

漂着したアカウミガメを埋めた話

大きめの動物の死体の写真が出るので、そういうのが苦手な人は私が旅先で撮ったキュートな鬼の写真を見て引き返すように。 大きなウミガメを見つける 先日、用事があって三重県津市を訪れた。 友達と旅行に行った帰りに自分一人抜けてきた(冒頭の鬼はその旅…

口を利かないやつらの素晴らしさよ

子供が上に乗っても沈まないという、あのオオオニバスを観察したいと思って、京都府立植物園に行ってきた。 あいにく、目当てのオオオニバスは発育途上であり、子供はおろか猫が乗っただけでもぶくぶくと沈んでしまいそうな貧相な大きさで、しかも岸から離れ…

銘菓「砂防ダム」を作る

毎日、暑い。 うんざりするほど、本当に、暑い。 こう暑いと、「日本の夏」などというどこか趣ある呼称は不似合いだ。最高気温35℃以上を記録した日は、「ナツ」とは区別して「アツ」という第五の季節として扱ってやるべきだろう。 「アツ」バテ気味で横にな…

スズメを一網打尽!無双網猟に同行してきた話

日本でできる狩猟は大きく3種類に分けられる。銃を使う猟、罠を使う猟、そして網を使う網猟だ。狩猟免許を取得したときから、この網猟について気になっていたのだが、「家の近くでできる罠猟も楽しいし、網猟はまだ先でいっか。近くに教えてくれそうな人もい…