くくり罠(空振り&ニアミス)

銃を使った猟はまとまった時間のとれる土日しかできないので、同時並行で獣道に罠を使った狩猟もやっている。獲物が罠にかかっているかどうかの見回りは早起きすれば平日でも可能だし、なにより銃猟以上に獣道の探索や獲物の行動を読むことが必要になってくるので、自然を相手に駆け引きをしているようで非常に面白いのだ。

 

くくり罠

くくり罠というのは、ワイヤーで作った輪を地面に埋め、上を通った獲物の足首を縛り上げるタイプのわなの総称だ。獲物が罠を踏むことで作動するものが多いが、その方式にはいくつかのタイプがある。

私が使っているのは跳ね上げ式というタイプのくくり罠だ。獲物が罠を踏む力がワイヤーを保持したアームを持ち上げる動作に変換され、足首をくくり上げるためのワイヤーが跳ね上げられることからこの名前がついている。設置のために深く大きい穴を掘る必要がないので土を掘り返した匂いで獲物にわなの存在を気づかれにくいのが利点だ。

今のところ市販のものを購入して使っているけれど、一つ5000円と高価なので、自作を試みているところだ。

 

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真ん中の板を踏むと左右に開いたアームがもち上がる。

 

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ワイヤーをセットした状態。

獲物が板を踏むとアームが上がってきてワイヤーが外れ、ばねの力が解放されて獲物の足首をくくり上げる仕組みだ。

 

罠を設置してから2週間ほどたったが、残念ながらまだ捕獲にはいたっていない。罠のそばを獲物が通っていることは足跡などを見るに間違いないから、獣道を読むところまではうまくできているはずなのだけれど、すんでのところでうまく逃げられてしまうのだ。最近あった悔恨の2例を紹介しておく。

 

空振り

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獲物が罠を踏んで、罠が作動したにも関わらず、逃げられてしまった。

ワイヤーが足首を縛り上げるよりも一瞬早く、獲物が足を引いたのだろう。反射神経の敏感な優秀な獲物だったのかもしれないが、罠の露見を恐れるあまり上にかぶせる土の量を増やしすぎたことで、ワイヤーの動きが鈍っってしまった可能性もある。

 

ニアミス

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罠を生めた場所のすぐ真横に獲物の足跡が残っていた。運が悪かったといえばそれまでだけれど、罠の名人になると木の枝や石などの障害物をたくみに設置して、鹿が足を下ろす場所を輪なの上に誘導したりできるそうである。

 

とまあ、今のところ獣の方が私より上手であることは間違いない。

設置の方法を試行錯誤しつつ、自作して罠の数を増やそうと思う。