台湾旅行⑤〜台北町歩き〜

台湾旅行もあっという間に3日目の最終日。

この日は遠出をせず、台北市内の、それも台北駅近くの狭いエリア内でをぶらぶら見て回ることにした。2日間、朝から晩まで歩き回って疲れていたのもあるけれど、最大の理由は飛行機の時間に余裕をもって間に合うようにしたかったからだ。
せっかくの海外なのだからぎりぎりまで遊びたいのだが、以前そのような考え方でバンコクからの帰りの飛行機に乗り遅れるという大失敗を犯したことがあるため、旅行の最終日には迂闊にタイトなスケジュールを組むことはできない。そのときは帰国便を乗り逃し、他の便も満席なので、仕方なくいったんマレーシアまで飛行機で移動し、そこで別の飛行機に乗り換えて日本に帰ることになった。大冒険である。
 
飛行機は駆け込み乗車(乗機?)できない。
 
4万円近い追加出費や丸1日の時間と引き換えに得た教訓だから、大切に生かさなければならない。
 
 
 まずは燻製の煮込みが食べられる店へ。

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燻製を、煮るんですってよ。
聞いたときは、なんて手間のかかることをするんだろうと驚いた。これを考えた人は、カツ丼を考案した人と同じくらい、調理を愛していたにちがいない。
燻製の煙が立ち込めるところで大鍋で何かをグツグツ煮ているような怪しい屋台を想像したが、来てみるとずっと広くて、さっぱりした店であった。店の名を、信遠齋という。
 

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無造作に並べられる鳥の丸煮たち

 

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朝食を食べるつもりで朝一番に来店すると、店の中がまだ準備モードだったので一瞬不安を覚えたが、問題なく売ってもらうことができた。ただ、豚肉や内臓系の煮込みはまだ転倒にでていなかったので、次回行くことがあればもう少し遅めに来店しようと思った。
 

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燻製にした肉をさらにスープで煮込むことで、トロリと柔らかく、とても複雑な味がするようになるのだ。加工肉の新境地といっていい美味しさだった。
 
 
次に総統府の建物を見に行った。

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新総統の就任式を控えて、巨大な演壇と客席が設置されていた。

 

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事前に予約すれば中も見学できるそうである。古い建築好きとして、いつか絶対中を見てやるぞと思った。

 

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こちらも近くにあった政府系の建築物。台湾も地震が多い国なのに、古い建物を概観そのままできっちり保存しているのには頭が下がる思いだ。

 

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上の建物の真向かいに建っていたビル。均整のとれた洋風建築もいいけれど、こういう各人が思い思いに使い込んだ結果、雑然とした外観が形成された建物も大好き。

 

この後は、これでもかと試飲をさせてくれるお茶屋でお土産用のお茶を買ったり、日本語ペラペラのおばあさんがやっている高級茶器店をのぞいたりした。
茶器屋に寄ったのは、猫空で飲んだ中国茶に感動して、自分用に茶器を一揃い買って帰りたいと思ったからだ。それで、茶器を売っている店を何件か見て回ったのだけれど、「これこれ、こういうのが欲しかったの!」と思って飛びついたものは高価(急須一つで7万円とか)で買えない。かといって、一度高級品を見てしまった目で安価な茶器を見ると、なんとも物足りない気分にさせられてしまい、これらもあえて購入する気が起こらないのであった。次に来るときは、茶器を探して骨董屋巡りなどをしてみても楽しいかもしれない。
 
 
昼過ぎに迪化街という地区に来た。食べ物屋や雑貨屋が立ち並んでいる。おみやげ物などを物色するのにちょうどよい。

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饅頭を売るお店。本当にいろいろな種類があって迷ったが、オーソドックスな肉まんを購入。八角の味が利いていて美味しかった。 
 

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杏仁露という甘味を売るお店。長い列ができているが、注文を聞いて5秒ほどで用意されるらしく、どんどん列が消化されていく。

 

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出てきたのがこれ。
 

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杏仁の層にあんこがかけられ、一番上にかき氷が載っている。赤を頼むと小豆餡、緑を頼むとうぐいす豆餡が載ってくるようだった。杏仁そのものには甘みがついておらず、非常にすっきりとした味。
 
よい時間になったので、タクシーで空港行きのリムジンバス乗り場へ移動した。
何事もなく、大満足で帰国するかに思われたが、お土産用に買ったライチの蜂蜜が手荷物検査で止められてしまった。言われるまでまったく考えが及ばなかったのだが、蜂蜜は液体とみなされるので、飛行機内には持ち込めないのだ。落胆したが、仕方がない。
そのとき、あることに気がついた。蜂蜜は何種類か合ったのだけれど、そのうち一つは固化していたのだ。機内に持ち込めないのは”液体”なので、うまくすればそれだけでも持って帰れるかもしれない。瓶を逆さにして、中身が固まっていることをアピールしながら説得を試みた。
 
  海底クラブ 「This is solid!」
 
  空港職員 (一瞬、考えるような顔をしてから)「No, sorry...」 
 
かくして、蜂蜜たちは行ってしまった。
 
蜂蜜は持って帰れなかったが、台湾旅行は本当に楽しかった。年に何度も旅行するほどはまってしまう人がいるのもむべなるかな。日本と似た部分と、異国情緒のある部分がうまく混ざっているので、日常の延長感覚で海外旅行に出られるのが人気の理由ではないかと思う。帰国してから、ネット上の台湾旅行記などを見て、「あ、ここも見たかった」「これ食べてない」と悔しい思いをすることが多くなった。次ぎは絶対にここに行こう、そう考えるたびに、再訪の思いを新たにするのであった。