奈良公園で鹿とルリセンチコガネに会ってきた

暑くもなく寒くもない、思わず死ぬまでこんな日が続けばいいのにと思ってしまうような素晴らしい気候だったので、京都から奈良までサイクリングすることにした。ちょうど、猟期が始まる前に目一杯鹿を見ておこうとか、ルリセンチコガネを観察しようとかで、奈良に行きたいと思っていたところだったのである。

気候の快不快に関係なく京都から奈良までの道のりは遠く、道に迷っている時間も含めておおよそ3時間ペダルを漕ぎ続けた脚はパンパンになってしまった。そんなことで初っ端から足取りは重かったけれど、久しぶりに見る奈良の風景は同じ古都でも京都とはぜんぜん違って面白かった。

 

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春日大社の鹿。写真写りを心得てか、段差のところにじっと立って、人々が構えるカメラに順番に目線が合うように首を振っていた。

 

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子連れの鹿。餌をくれそうな人間にペコッと頭を下げているようだった。

 

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地面を掘って土に頭をこすり付ける鹿。

あまりにだらしがないので、尻のあたりをつま先でつついてやると、なんとガバッと起き上がるがはやいが、興奮した様子で頭突きをしかけてきた。頭突きは私の腹のあたりに命中したが、角が切られていたのでどうと言うことはなかった。角切りの大切さを身をもって実感した。

 

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お目当てのルリセンチコガネもちゃんと見つけた。

生き物の糞を食べる糞虫に、オオセンチコガネというやつらがいる。うんこを食べる汚い虫というイメージにそぐわず、その光沢のある体色は色彩変化に富み非常に美しい。

ルリセンチコガネとは、その中でも体色が青色のものを指す俗称である。もともとこの青いオオセンチコガネは奈良県を含む紀伊半島を中心に分布しているのだが、いたるところに鹿の糞が散らばっている奈良公園はその一大産地なんである。

 

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青くて、本当に綺麗。

ところで、海外には糞虫を食べてしまう昆虫食文化をもつ国もあると聞くが、私はまだチャレンジする気にはなれない。いや、素揚げになった状態で出されたら食べるかもだけれど、自分で作る気分にはならない。いつか気が変わるときが来るだろうか。

 

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動物だけでなくて、古くて綺麗な町家も見学した。

帰りは自転車を分解して袋に包み、近鉄電車に乗って帰った。

 

 

 

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