文フリ出展しました

文フリ出展をつつがなく終えることができたので、報告です。

 

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▲サンカクカンケイのブースはこんな感じでした

 

「怪獣」とういうテーマがよかったのか、はたまた長期にわたるWEB連載がクオリティを押し上げることに繋がったためか、非常に多くの方に本を手にとっていただけました。自分たちの作ったものにお金を払ってくれる人がいることって、本当にモチベーションを引き上げてくれますね。帰りの電車では次に何を作るかという話が早くも紛糾していました。

怪獣特集ということで、男性の購入者が多いかな?と勝手に予想していたけれど、蓋を開けてみると購入者は老若男女ばらばらでした。怪獣はいろいろな人に愛されているようです。予断ですが、私が接客した人はほぼ全員が「シン・ゴジラ」を鑑賞していました。中には映画館で4回も鑑賞した人もいて、「私はまだ1回しか見れてないです...」などと恐れ入ってしまうこともありました。

 

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面白そうな作家さんにも出会えたし、大満足の1日でした。

 

 

 

ウニ殻

静岡からの帰りに浜名湖で拾ったウニ殻

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なかなか綺麗じゃろ?

こんなもんがそこらへんに転がってるんだから、浜乞食(ビーチコーミング)はやめられない。

ただこのウニ殻、

 

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接写すると一部の人たちには気持ち悪がられそうな造形だったりする。

どんなものにも適切な鑑賞距離があるんやね。

 

 

 

文学フリマに出展します

私の所属するサンカクカンケイという集団が、大阪府堺市で開かれる文学フリマ大阪に出展するので、宣伝です。

 

文学フリマ - 第四回文学フリマ大阪 開催情報

 

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「怪獣」というテーマで雑誌を作って販売します。架空のサンカク特捜隊という組織が、出会った怪獣を報告書形式でまとめていくという構成です。今年は「シン・ゴジラ」がおおはやりしたけれど、ここで怪獣雑誌を読んでさらに深く怪獣沼にはまりこんでみませんか!?

私も寄稿しています。ありがたいことに表紙の怪獣も描かせていただきました。興味を持った人は是非見に来てください。

 

▽内容の一部はこちらで読むことができます

sankaku-kankei.tumblr.com

 

セスジスズメ

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友田家住宅に泊まった時、庭の植え込みでセスジスズメの幼虫を見つけた。

 

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黒地に黄色の配色が毒々しくもきれいだ。目玉模様の凝ったデザインも、思わず見入ってしまうほど美しい。
 

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見た目は毒々しいが、毒があるわけではないので触ってもなんともない。
肌はひんやりすべすべしていて気持ちいいし、後ろ足は吸盤のように手に吸い付いてきて面白い。
それにしても、天敵を遠ざけるためにまとった模様のせいで、喜んだ人間に指で突かれたりするのだから、セスジスズメは世の理不尽を嘆いているかもしれない。
 

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セスジスズメがしがみついているこの木、これはこんにゃくの木なのだと教えてもらった。初めて見たのだけれど、セスジスズメに負けず劣らず毒々しい斑模様なので驚いた。
 
 
 

友田家住宅

週末を静岡県の山奥にある古民家で過ごしてきた。
 

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訪れたのは友田家住宅という、茅葺屋根の古民家だ。静岡県周智郡森町に所在し、重要文化財にも指定されている。
 

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夕食の時間になると、おばあちゃんがかまどでご飯を炊いてくれる。旦那さんが去年なくなったため、現在は80過ぎのおばあちゃん一人で切り盛りしておられるそうだ。
 

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夕飯は囲炉裏の上に網を載せてかつおのタタキを作ったり肉を焼いたりした。重要文化財の中でバーベキューができるなんて、貴重な体験である。こうして囲炉裏から出た煙は、茅葺屋根が燻し、防腐や防虫の効果を発揮する。だから、茅葺屋根の家は、定期的に中の囲炉裏で火を焚かないと、すぐに傷んでしまうそうだ。
 

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囲炉裏の上には鉤のついた木彫りの魚が。自在鉤といって、鍋を吊ったりするのに使うらしい。
 

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縁側でスイカも食べた。
 

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縁側の上にせり出した茅葺きの屋根。ものすごい厚さである。茅葺きは傷むと新しいものに交換しないといけないのだが、必要な材料を集めて屋根を全て取り替えるのは大変な重労働だったのだろう。
 
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友田家のある集落には、特に遊ぶための施設があるわけではない。滞在中は特に何をするということもなく、ご飯やおやつを食べ、畳の上でゴロゴロし、囲炉裏を囲んで同行者とおしゃべりをして過ごした。あとは、集落の中を散歩するくらいのものである。
刺激的ではないが、ゆったりと過ごすことができる時間が心地良い。何もしないことの贅沢を再発見させてくれる場所だ。
「寒い季節には囲炉裏のそばから離れられなくなるよ」
とおばあちゃんが言っていた。
囲炉裏で炊いた鍋を囲んだり、餅を焼いたり、燗酒を飲んだりして過ごせたら、最高だろう。寒いのが嫌いなくせに、想像しただけで冬が待ち遠しくなる気分だ。雪の降る頃になったらまた来ようと思った。
 

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▲庭先には白い彼岸花が咲いていた

 

カレー屋探訪録(本町 iloilo)

蜂インザヘッド氏に、誘われて大阪本町にあるiloiloというカレー屋に行ってきた。結果的に自分の中のベスト オブ カレー店を更新することになったため、インドカレーが好きな人はぜひ立ち寄ってほしいと思う。

 

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アジア系雑貨店を髣髴とさせる、カラフルで雑然とした店構えが遠くからでも目を引いた。交差点の角に立地しているため、店を探して迷うということはまずないだろう。 内部の席数は8つしかないため、混んでいるときは外のベンチに腰掛け、並べてある異国の雑貨などを鑑賞して待つとよいだろう。急いでいる人は、テイクアウトを利用することも可能である。

 

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▲メニューと料金

 

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店の建物はとても変わった構造をしている。三角柱の建物の中央を螺旋階段がぶち抜いているのだ。店内の壁面もなんだか変わった色に塗り分けられているし、不思議な空間に迷い込んだような気分だった。カレーが出てくる前から、なんだかわくわくしてしまった。

 

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▲「ドリトル先生アフリカゆき」に出てくるオシツオサレツみたいなベンチがあった

 

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はしゃぎながら待っていると、肝心のカレーがきた。メインは羊肉カレー(ラムローガンジョシュ)。その周りに小鉢に入った豆カレーと奈良の野菜カレー、さらにレンコンのアチャール(酢漬け)、お蔵のベイガンバルタ、バナナのヨーグルト和えがついている。

一口食べて、これは当たりだなと直感した。味は特別に辛いということはなく、穏やかで繊細な味付けだ。本場の味なのか、ジャパンナイズされた味なのかはわからないけれど、ストンと自然に受け入れられる美味しさである。いろいろな種類の野菜がふんだんに使われているのもうれしい。カレー同士を混ぜ合わせることで新しい味を見つけたりするのも楽しく、あっという間に平らげてしまった。

 メニューは日替わりであるらしく、何が食べられるのかは行ってみないとわからない。近くを通るたびに「今日は何のカレーかな」とついつい寄ってしまいそうな、そんな魅力のある店だった。

 

iloilo(イロイロ)

大阪府大阪市中央区本町橋7-19

【平日】

昼11:30ー14:30(LO)

夜17:00ー21:00(LO)

【土日祝】

昼12:00ー15:30(LO)

夜17:00ー21:00(LO)

 

タイの虫屋台

最近はおしゃれな女性向け雑誌などでも昆虫特集が組まれることもあり、昆虫食の話をしても、「え、虫を?きもい」などと露骨に嫌な顔をされることが以前よりも少なくなった。そんなタイミングで、ずいぶん前にタイのバンコクに遊びに行った時に撮った虫料理の屋台の写真が出てきたので、紹介しようと思う。
 

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屋台の前で購入する意思のある(冷やかしではない)ことを示すと、流暢な英語でどれがなんという虫なのかを説明してくれる。注文すると、虫をビニール袋に取り分け、最後に霧吹きで謎の液体を吹きかけてから渡してくれる。売られていたのはコオロギ、バッタ、タガメ、ゲンゴロウ、サソリ、カイコの蛹など。値段は他の屋台料理に比べると若干割高な気もした。

札に出ている通り、カメラやビデオで撮影する場合は10バーツ(35円くらい)を払わなければならない。屋台を見つけた場所は、バンコクの中でも特に外国人旅行者が多いカオサン通りという地区だったので、怖いもの見たさで近づいてくる外国人からもきっちり料金を徴収しようという戦略のようだった。我々はきちんと虫を購入したので、写真撮影に際して料金を請求されることはなかった。

 

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この屋台が、(売り子も含めて)あまりに外国人向けにカスタムアップされていたので、虫屋台なんて外国人向けの露悪的ツーリズムとして細々と生き残ってるだけで現地の人はとっくにそんなもの食べなくなってるんじゃないの?という疑問が湧いてきた。私の地元は京都だが、人力車に乗ったことも本格的な湯豆腐を食べたことも今の所ないため、そのような勘ぐりをしてしまうのだ。しかしそれは的外れであった。後日タイの地方都市の、地元民しかいないような寂れたスーパーの前で同じように虫料理を売っている屋台を発見したからだ。
 
買った虫は以下の通り。バッタや蚕の蛹は日本でも食べたことがあったので、なかなかお目にかかれない虫をチョイスした。

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▲ゲンゴロウ
日本では絶滅危惧種。海底クラブは虫が大好きでよく採集などもするのだが、生きたゲンゴロウは展示室の中でしか見たことがない。そんな希少な虫も、ここではスナック菓子の材料である。気になる味だが、圧倒的な硬さのクチクラ質のために噛み千切ることはほぼ不可能、丸ごと口に入れてぐしゃぐしゃとかみつぶすしかなかった。さらに味は苦くて、買った虫の中で一番不味かった。 悲しい。
 

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こちらも日本では絶滅危惧種。花のような香りがして、悪くない味。こちらも殻が固く飲み込むのに難儀した。頭部を噛み千切って、ウィダーインゼリーのように中身だけをチューチュー吸って食べればよいかもしれない。
 

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 ▲サソリ

エビやカニなどの甲殻類に近い味。これも殻が固い。

 

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タガメを口に運ぶ私

 

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▲サソリを頬張る友人
 
総じて殻が固く、飲み込むのが大変だった。正直言って、そこまで美味しいものだとは感じなかったけれど、日本ではその希少性故に恐れ多くて食べられないゲンゴロウやタガメを口にできたことは、非常に貴重な体験だった。