巻き狩りに初参加

11月15日に狩猟が解禁された。去年は空気銃で鳥を撃つだけだったけれど、この夏から散弾銃を所持しているので、地元の猟友会の大物猟にも参加している。

写真は、先週末に巻き狩りという集団猟に初めて参加したときの獲物である。

詳しくは後日レポート。

 

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ヤマナシで果実酒を造る

前に紹介した、山の中で見つけた野性の梨(ヤマナシ)だけれど

 

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小ぶりのものは皮を剥くのも大変なので、まとめて果実酒にすることにした。

 

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表面をよく洗って

 

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水気をよく拭ってから真っ二つに切る。このとき、変色していたり種の周りにカビが生えているものは捨ててしまう。たくさんあるから、大盤振る舞いができるのだ。

 

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氷砂糖と一緒に瓶に入れ

 

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ホワイトリカーを流し込む。いたって簡単である。

材料の組成は

 ・梨 800g

 ・氷砂糖 100g

 ・ホワイトリカー 1.8L

栽培種の梨を使った果実酒のレシピをそのまま使わせてもらった。2週間くらいで飲めるようにはなるそうだが、時間をかけて熟成させた方が味がよくなるらしい。せっかくなので気長に待とうと思う。生で食べてみた感じだと栽培種に比べて酸味や渋味が際立つが、酒につけたときにこれが吉と出るか凶と出るかが気にかかるところだ。

ところで、ヤマナシと聞いて宮沢賢治の童話『やまなし』を思い浮かべる人も多いのではないだろうか?この童話は小学校の教科書にも採用されているので、作中で蟹の親子の会話に登場する「クラムボン」という謎の言葉の解釈に苦しめられた人も多いはずだ。

山中で夢中になって梨をもいでいるとき、「『やまなし』ってひょっとしてこのヤマナシ?」という思いつきが頭に舞い降りた。この着想は、希少な植物の実を見つけたという喜びに輪をかけて彩りを添えてくれたのだけれど、帰宅して調べてみると、作中の「やまなし」が植物学的に何を指しているのかは今をもってはっきりしないようである。

今、青空文庫で『やまなし』を読み返してみると、最後の方のお父さん蟹の台詞に次のようなものがある。

「待て待て、もう二日ばかり待つとね、こいつは下へしずんで来る、それからひとりでにおいしいお酒ができるから、さあ、もう帰ってよう、おいで」

やまなしは時間がたつと発酵(「ひとりでに」とあるので)して美味しい酒になるらしい。私のヤマナシと賢治のやまなしが同じものかはわからない。発酵酒と果物を酒に漬け込んで作る果実主もまったく別のものだ。わかってはいても、あの童話のような、ふわふわした甘美な現実感のなさをもった酒ができはしないと期待してしまうのである。

 

 

 

いろいろな人の助けを借りた、長野ベニテングタケ採集記 その②

朝の準備に手間取る

翌日は早起きをして朝食の用意をすることにした。

かまどがあるので米を炊こうとしたのだが、あいにくの雨模様により薪が湿ってしまった。新聞紙や着火剤に着けた火を燃え移らせようとしても、なかなか炎が上がらない。そのくせ煙だけはもくもくと盛大に吐き出すものだから、小屋の中は目を開けているのも厳しい状態になった。

 

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もたもたしているうちに、記者氏は仕事に行かねばならない時間になってしまった。今日はまず街中のショッピングモールで取材をし、次は選挙関連の聞き込みをするらしい。休日なのに、忙しそうである。

囲炉裏に残った昨夜の燃えさしを使ってなんとか米を雑炊にし、出発準備を整えた。整えたはいいが、時間をくってしまった。記者氏に教えてもらったベニテングの会の人たちに話を聞きに行きたいのだが、ひょっとするともう出発してしまったのではないかという不安が頭をよぎる。雨が降っているから今日は小屋でゆっくりしているかもしれない、そう思い直したけれど、湿度の高い雨天は絶好のキノコ観察日和であるとも考えられるので、油断はできない。

 

ベニテングの会の人に話を聞く

期待半分諦め半分で彼らの止まっているという小屋に行ってみると、はたして、まだ小屋にいた。表にいた男性に来意を告げると、中から会長だという男性に続いて8人くらいの人たちが出てきた。

 

私 「ベニテングタケを探しに来たのですが、この辺りには生えてないでしょうか」

 

会長 「いやあ、昨日キノコ観察をしたけれど、このへんには生えてなかったなあ。」

 

落胆する我々。しかし、なんとなくだがこの辺りにはないだろうなという検討はついていた。ベニテングタケは白樺の木が茂る林床に発生するのだが、大平宿近辺にはそもそも白樺の木がほとんど見られないのだ。

「やっぱりそうですよね」と肩を落とす我々に、会長はうれしいことを教えてくれた。

 

会長 「時期的には遅いけれど、菅平の方なら出てるかもしれないよ。白樺の木は標高の高いところに生えるから、高原の方を探してみるといい」 

 

この菅平という地名は、事前に調べておいたベニテングタケ発生の候補地の一つだ。強い毒性を持つベニテングタケを解毒して食べるという、珍しい習慣のある地域(もっとも、今ではそんなことをする人もほとんどいないらしいが)であるという情報がネット上で散見されるため、目をつけていたのである。

ベニテングの会の方々にお礼を述べつつ、菅平に向けて出発する。何しろ遠いので、早く出発しないと日暮れ前に到着できるかどうかも怪しくなってしまう。

 

菅平まで移動する

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▲目的地は遠い

 

途中、同行者が登山靴を新調するのに付き合ったりしたので、菅平に到着したのは午後4時頃だった。

いかにも高原の別荘地という感じのする綺麗なところだが、あいにく景色をゆっくり堪能している暇はない。日が暮れるまでに捜索を済ませなければならないのだ。

 

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森の中に入る。下草に覆われた林床はじめじめと湿っており、キノコが生えるには絶好の環境のようだ。ポツリポツリとあちこちに白樺の木が点在しているので、それらの根元を順に見て回る。あるか?次はどうだ?地面に目を這わせ懸命にベニテングタケの赤色を探す。そうする間に、あたりはどんどん薄暗くなってくる。もともと日の光が届きにくい森林の中では、日が山の端に差し掛かる頃には足元が真っ暗になってしまうのだ。物の色の判別が難しくなってきたあたりで、この日の捜索を諦めた。

 

 「このままではまずい」

宿の部屋についた我々は考えた。連休は翌日で最終日であるため、昼過ぎに帰路につくとして、それまでにベニテングタケを見つけなければならないのである。菅平まで来ればなんとなく見つかるものと思っていたが、今日探した感じではそう簡単な話ではないらしい。

もう少しピンポイントで発生状況がわかる情報がほしい。藁にもすがる思いでツイッターに『ベニテングタケ』と打ち込んで検索した。すると、あった。なんとここから北に数キロほど移動した高原でベニテングタケを見つけたという、写真つきのツイートが出てきたのだ。それも、まさに今日森を散歩していて見つけたらしいのである。他に当てはない。この場所に最後の望みをかけることにした。

 

 最終日

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▲高原の道には霧が出ていた

 

翌日、目的地近辺を車で走っていて直感した。

「この近くには生えてるな」

なぜかというと、路肩から見渡す森に生えている白樺の木の数が、昨日とは段違いに多いのだ。それになんだか霧まで出てきたし、ファンタジックな色彩のキノコに出会うのにばっちりな雰囲気ではないか。

適当な空き地に車を停めて、いざ探索へ!ドアを開けると、そばの芝生の上に赤いものが落ちているのが見えた。

 

発見!

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「あ、あったあ~~!」

若干乾燥しているように見えるが、間違えようのないこのカラーリングは、まさしくベニテングタケである。祈るような気持ちでここまで来たが、なんと、森に入るまでもなく発見してしまった。不意打ちを受けて面食らったけれど、一歩一歩と走り寄るにつれて驚きは薄らぎ喜びがわき起こってきた。ずっとこの手にとってみたいと思っていたキノコをついに見つけたんだ!

 

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これが見たくてはるばるやって来たんだ。生えていてくれて本当によかった。

とりあえず目的は達したわけだが、そうすると新たな欲が出てくる。このベニテングタケ、日当たりの良い場所に生えていたためか少し乾燥している。せっかくだから、もっとフレッシュなものが見たい。

こんな道端にさえ生えているんだから、森の中にはもっと生えているはずだ。期待に胸を躍らせながら、森に分け入って捜索を始めた。

 

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すると、あるはあるは、林床のいたるところにベニテングタケが真っ赤な傘を広げて屹立していた。見つけるのは簡単だ。褐色の落ち葉に覆われた地面の上に、そこだけスポットライトを当てたように鮮やかな赤色が浮かび上がる。ひとたび視界に入れば、見落とすことなどできようはずもない。

 

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朝一で探しに来たからだろうか、森の中で見つけたものは虫食いもほとんど見られず、触れば弾き返されるようなみずみずしさを保っていた。

 

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真っ赤な色とその形のせいでワイングラスを連想した。

 

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幼菌もあった

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外被膜を破って出てきたばかりの幼菌も見つけた。傘が開いていない分、その赤みは一段と濃いようだ。このままの状態で固定して部屋に飾り、いつまでも眺めていたくなる。しかしそれは叶わぬことなのだ。

 

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夢中でキノコを探しながら歩いていると、森の中の池に突き当たった。シンと静まり返り、霧に覆われている。ベニテングタケは西洋では幸福のシンボルとして親しまれているそうだが、こんな静謐な場所であんなに美しいものを見つけたら、特別な気持ちになるのも無理なかろうことである。

 

大満足で帰路に着く

今度のキノコ旅ではいろいろな幸運が重なって念願かなえることができた。宿をくれた人、情報をくれた人の助力がなければこの世にも美しいキノコまで到達できたかは怪しいものだ。その人たちには感謝してもしきれない。

採集したベニテングタケにはイボテン酸やムスカリンという毒が含まれているため食用にはできないのだが、せっかくなので毒抜きして食べてみる予定だ。そのときの様子はまた別の記事に書くつもりなので乞うご期待。

 

おまけ

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紹介し切れなかったが、森の中にはベニテングタケ以外にもびっくりするくらいたくさんのキノコが生えていた。今回はベニテングタケに夢中で、写真を撮るだけで通り過ぎることが多かったのは、今となってはもったいなかったかなと思っている。次の機会には、こういう地味なキノコにももっと注意を払える心の余裕がほしいものだ。

 

 

 

twitter.com

いろいろな人の助けを借りた、長野ベニテングタケ採集記 その①

生き物好きならば、いつかはこの目で見てみたいという生き物がいるはずだ。それも、書き出せば長いリストになってしまうくらいたくさん。

 

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私にとってベニテングタケは、ずっと見たい見たいと思い続けてきたキノコの一つだ。

場所によってはそれほど珍しいものではないらしいのだが、秋限定で中部地方以北の高原の、それも主に白樺が生い茂る森の林床に生えるという特性ゆえに、これまで直接目にする機会がなかったのである。毎年紅葉が茶色に変わる頃になって「ああ、今年もベニテングタケを見に行かなかったんだ...」と後悔するのを、何年も繰り返してきた。

このままでは永久にベニテングタケの姿を拝むことができない、そう危惧して、今年は思い切って3連休を利用し、ほぼキノコを探すためだけに長野に行くことにした。

 

長野までの道のりは遠い。余談だが、自宅から車に乗り高速道路を使って長野市まで行くよりも、関西空港経由で沖縄まで行くほうがかかる時間は短かったりする。文字通り陸の孤島である。

名古屋で友人と合流してレンタカーを借り、一路長野を目指す。しかし出発が昼過ぎであったため、明るいうちに目星をつけておいたポイントに到着するのは厳しいということになった。今日はここらで一泊しよう。そう思ってスマホ片手に宿を探し始めると、あった!面白そうな宿を見つけた。

 

www.oodaira.org

 

廃村になった旧街道沿いの宿場町をNPO法人が管理し、宿として格安で貸し出しているのだ。食事などは自分たちで用意しないといけないが、電気と水道は通っているし、何より雰囲気のある山間の古民家に格安料金で停まれるなんて素敵ではないか。

早速電話を入れてみる。しかし、あいにく連休中は予約で埋まってしまっているとの答えが返ってきた。非常に残念だった。しかし宿泊できないのは心残りにせよ、多くの人が古民家に関心をもっていて、その人たちの払った宿泊代が維持費に使われるのなら、お客が来ずにガラガラになっている状況よりもはるかによいではないか。古い建物が好きな人間としては喜ぶべき状況なのだと思い直すことにした。思い直したはいいけれど、せっかく近くまで来たのだから村の様子だけでも見てみたい。日が沈むまでまだ時間があったので、大平宿に至る林道へとハンドルを切った。

細く長い林道を抜けると、山間の開けた土地に車が何台か止まっているのが見えた。

 

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▲集落の入り口に設置された看板

 

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▲村の入り口に一軒だけある食事所。店員は通いで働きに来ているらしい。

 

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360度の山景をバックに古民家が何軒も続く様は壮観だ。集落の中を通る道は舗装すらされていないが、そこがまた雰囲気があって良い。こんなによい場所を見つけたのに、泊まれないなんて悲しいなあ。

後ろ髪を引かれつつ車に戻ろうとすると、カメラを持った男性が話しかけてきた。

「キノコの会の人ですか?」

聞けば、男性は新聞記者で、毎年この時期に合宿に訪れるキノコ愛好会を取材に来たのだと言う。

キノコの会ではないけれど、自分たちもキノコ目当てではるばる関西から来たんですよ。そう言うと、思いのほか話が弾んだ。

「今夜ここに泊まろうと思ったんだけど、満室だから他を探さないといけないんです」

会話の途中で何気なくそう告げると、思ってもみない言葉が返ってきた。

「あ、それなら僕が今夜一部屋借りてるから、相部屋でよかったら泊まってく?取材の後は一人だからさびしいなと思ってたところなんだ」

おお、ほんとうですか!?なんて運がいいんだろう。願ってもない提案に、一も二もなく飛びついた。こうして、紆余曲折を経てその日は大平宿に宿泊する運びとなった。

 

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▲泊めさせてもらった古民家は、からまつ屋という屋号らしい

 

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その夜は、囲炉裏にかけた鍋をつつきながら、いろいろなことを話した。テレビもネットもない。スマホも圏外だから使えない。そうなると、見ず知らずの他人ともなんとなくダラダラ話し込んでしまうものだ。

取材対象のキノコ愛好会は『ベニテングの会』という名前であると、記者氏が教えてくれた。それを聞いて驚いた。その会の存在を知っていたからだ。

以前twitter上でアミガサタケの発生についてツイートしたところ、アミガサタケの発生状況を調べていた同会から、情報提供を求めるリプライをもらったことがあったのである。

 

twitter.com

 

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 ▲アミガサタケ。こんな見た目だが、食べると美味しい

 

ネット上のごく些細なやり取りとはいえ、言葉を交わしたことのある人たちと偶然こんなところで一緒になるなんて、なんだか不思議な気分である。

しかも名前が『ベニテングタケの会』だなんて、まさに我々が長野にきた目的を見越しているようじゃないか。

翌日の朝に、ベニテングの会の人たちが泊まっている小屋まで行って、ベニテングタケに関する情報を可能な限り聞いてみよう。そう決めてから布団に入った。

随分遅くまでおしゃべりした気になっていたのに、横になる前に目覚ましをかけようとスマホを見たら、やっと午後11時を過ぎたあたりだった。田舎の夜は時間がゆっくりと流れるようだ。

 

 

 

twitter.com

山の中で梨を見つける

猟場の下見をするために山の中を歩いていて、大量の実をつけた気を見つけた。近づいてよく見てみると、なんと梨にそっくりな姿をしているではないか。

 

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野生の梨の木を見るのは初めてなんだけど、こんなにたくさん実がなるなんて知らなかった。一つ一つの実は栽培種に比べてずっと小さいのに、あまりにたわわに実っているものだから重さで枝がしなっていた。

 

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かじってみた。多少酸味が強かったけれど、市販の梨と同じ香りと、シャリシャリした食感だ。この時点まで、実は梨にそっくりな別の植物なのでは、という疑念もあったのだが、かじってみて確信した。こいつは梨の原種に間違いない。

 

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手の届く範囲になっているものをもらってきた。これを使って菓子作りなどしてみようと思う。

 

 

 

うみねこ博物堂で昆虫標本を買いました

仕事で東京に行った帰りに、少し足を伸ばして以前から気になっていたウミネコ博物堂に行ってみた。

hakubutsudo.com

 

店内に入ると、狼の被り物を身につけ、尻に尻尾を生やした人物が店内を物色していた。なんだなんだ、ここは客までおかしな生き物なのかしらと思ったが、話を聞くと近くの雑貨店で開かれている狼フェアの宣伝でその格好をしているとのこと。しょっぱなから強烈な一撃をかましてくれるものだ。

店内には昆虫、骨、種子の標本に加え、雑貨や書籍も陳列されている。わかっていたことだが、店内に入るとあれも欲しいこれも欲しいと目移りしてしまうので難儀した。陳列用の標本箱とにらめっこして、なんとか選び出した2匹の昆虫標本を紹介したい。

 

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1匹目はインドネシア産のホウセキゾウムシだ。

夏に見に行った伊丹市昆虫館の「きらめく昆虫展」でも展示されていた昆虫だ。展示を見たときは、いつか自分の部屋にこんな綺麗な昆虫を飾りたいなと思ったが、意外と早くに叶ってしまった。

 

kaiteiclub.hatenablog.com

 

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▲青緑色に光っている部分は、鱗毛と呼ばれる小さなうろこ状の毛が集まってできている。

 

 

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2匹目は中国湖北省産のカブリモドキだ。最初はオサムシかと思ったのだけれど、よくみると上翅の後端が二股に分かれているので、同じオサムシ科のカブリモドキの仲間だと思われる。

オサムシ科の昆虫には、キラキラと輝く色彩豊かな種が多く、歩く宝石との呼び声も高い。さらに、注目したいのはその形だ。頭から突き出た大顎、紡錘形の腹部に掘り込まれた個性的な凹凸、長い手足、地上を走り回りながら餌になる昆虫を追いかけることに特化しつつ、最大限におしゃれをしている。まさに美しさとかっこよさを兼ね備えたミラクル素敵な昆虫なのだ。中でも、中国奥地に生息するカブリモドキはトップクラスの美しさを持つ種である。

 

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▲肉食昆虫であることを誇示するような、獰猛そうな大顎。クワガタムシの大顎が主として身内同士の喧嘩に使われるのとは違い、オサムシの仲間の牙は獲物を捕食するためにある。

 

あまりに素敵な虫たちがたくさん売られていたので、とっておきの2匹を選ぶのには苦労した。こんな店が自宅近くにあったら、間違いなく収入が入るたびに散財してしまうだろう。虫を買い足すのは関東に遠出したときの楽しみにするとして、仮置き用のタッパーに入れられたカブリモドキのために箱を作ってやることにしようと思う。

 

 

 

アケビ

山の中でアケビを見つけて

 

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手が届かないものだから、10分近く蔓を引っ張ったりゆすったりしてなんとか1個落下させたのを拾ってみたら

 

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中身はすでに鳥に食べられていたのだった。

 

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ほんの少しだけ残された部分を口に入れてみると、ほんのりとした優しい甘さのある味がした。