2023年5月4日

伏見区巨椋の農地にケリを見に行く。

農道の脇にバイクをとめて、最近新しく買った雲台をとりつけた三脚とプロミナーを準備した。この地域は田植えの時期が遅めらしく、農地のほとんどは乾いていたけれど、かろうじて湿地化しているところを見つけた。

双眼鏡をのぞくとたくさんのダイサギが棒立ちしている中にマガモの夫婦が泳いでいるのが見えた。ケリはいないようだ。頭上は飛び交うツバメたちで騒がしい。

風が少し強い。陣取っていた場所は小さな川の堤防上を通る農道の横で、周囲よりも少し高くなっているから観察に都合がよい。お地蔵さんのための小屋と立派な松の木があって、そこだけ道が少し太くなったところを選んだのだが、松の木の枝が強い風にあおられてよく揺れていた。

10分ほど待っていると、はたしてケリが現れた。

長い脚をひょこひょこと動かして水たまりの中を歩き、結構な頻度でばさばさと大きく体を動かして羽繕いをする。途中からもう1羽増えて2羽になったが、たがいに意識しているようには見えなかった。

1時間くらいそのまま思い思いに過ごした後、突然示し合わせたように2羽連れだって飛び去った。無視しているふうを装いつつやはり横目で相手を見ていたのだろうか?

ケリが行ってしまった跡の湿地では、相変わらずダイサギマガモがうろうろしていた。ダイサギはときおりタウナギだかヘビだかのにょろにょろした生き物を捕食する様子を見せて楽しませてくれたのだが、マガモの方はほんとうにただうろうろしているだけに見えた。

その後はとくに変化がなかったので、適当なところで引き上げた。2時間くらいの滞在で、いっさい人間に出くわさなかった。レンズ越しに農作業をする人を数人目撃しただけである。ここへ来る途中に通過した八坂神社界隈の混雑を思い出した。

農地を抜けるために未舗装の農道を走っていると、いろいろな道具や廃車を集積したような一角におそらくDIYで作られた2階建てくらいの高さのやぐらがあって、やぐらの上に乗っていた犬に勢いよく吠えられた。